2009/11/30

打ち合わせ三昧

10時起床。夜中、何度か目覚めた。最近、眠りが浅い。漢方を服用して、りんごジャムを一匙食べて、表参道へ直行。打ち合わせを済ませた後、会社へは寄らずに新宿へ移動する。

昼食は「てんや」で天丼500円也。マクドナルドで打ち合わせの準備をしながらコーヒー120円。で、打ち合わせ。うまくいった。

会社に戻ってデスクワーク。来週の打ち合わせの準備をしてから、21時半までみっちり資料の読み込み。今日は仕事した〜って感じがする。


会社を出て、ガールフレンドと久々に東京に戻ってきた友人と合流。原宿でごはんを食べる。キーマカレー、白ワイン2杯。

入浴後、ガールフレンドが「ていしん」という鍼に使う道具で頭のマッサージをしてくれた。きもちいい。

2009/11/29

来年の話

11時半起床。起きてすぐに本の片付けの続き。掃除機をかけながら、かなり本格的に働く。
13時すぎにブランチ。白菜と柚子のうどんを作って食す。シンプルながらおいしい。ガールフレンドはりんごジャムやかぶの千枚漬けを作っている。
ついに文庫棚の整理にまで及び、これまでもかなり売ってきたのに、今日だけでさらに100冊以上が売りに出されることになった。それでも全体の1%にも満たない。このあいだの雑誌とともに、ブックオフに引き取ってもらう手配を済ませる。それにしても、伊藤整『日本文壇史』(講談社文芸文庫)の2巻だけが見つからないのはなぜだろうか。
間食として、コンビニでスナック菓子を買ってきて作業をしながらつまんだのと、ゼネラルレクラークを1個。

夕食はガールフレンドが用意してくれたキムチ鍋。おいしい! 〆は雑炊にして。大満足。来年は山に登りたいとか、来月には滋賀と金沢行をしようとか、そういう話で盛り上がる。もう一つ、ヤフー・オークションでクラシック・ギターを落札したので、来年は本気でギターと向き合いたいなあ、と。

2009/11/28

本のルービックキューブ

11時半起床。昨晩の掃除によるハウスダストの症状がひどく、呼吸困難に陥った1日。

ブランチとしてブロッコリーのパスタ、じゃがいもとにんじんのスープ。宮城から届いた野菜を中心に料理する。食後、父から届いたお歳暮のおすそわけで、ゼネラルレクラークというでかい洋梨を食す。

近所の金物屋で螺旋を購入し、図書館で本の貸し借りをし、で、今日もメインは本の整理。思想系の棚がかなり整理された。あの部屋の奥からこの本とこの本を持ってきてこれと合体するとこういうジャンルができるから、その隣に持ってくるのは……という感じで整理を進めていくうちに、なんとなくルービックキューブを作っているような感覚になった。それにしても息ができない。


夕方、ガールフレンドと家を出て、北参道まで。戸張大輔のライヴを観る。ああ、最高。PAが最悪の仕事をして邪魔していたが、それでも最高だった。さらに、会場で売っていたCD-Rも最高だった。

帰りに代々木の焼鳥屋で夕食。これがおいしかった。焼鳥屋だということを一瞬忘れたほどであった。

夜、部屋の掃除のことで喧嘩をする。最近、こういう喧嘩が多い。

2009/11/27

革命的にも愛国的にも

10時起床。なんだか眠りが浅く感じる。漢方を服用して、みかんを食べる。今日はひさしぶりにガールフレンドと一緒に家を出た。

通勤電車のなかで『俳人風狂列伝』の続き。仕事は地味に。

昼食は近所のカレー屋でチキン・カレーをサフランライスでいただく。850円なり。カレーはからだがリセットされる感じがするので、たまに食べたくなる。食後、何年ぶりかでスターバックスに入った。が、スターバックスに入るなぞ、革命的にも愛国的にもよくないという感じを、どうしてもぬぐい去ることができなかった。

渋谷で打ち合わせ。古本屋に寄ってから直帰。清水俊彦編『ジャズ』(青土社)、高橋悠治『音楽のおしえ』(晶文社)、それぞれ格安で入手。


帰宅するとガールフレンドが部屋で工作していた。

夕食は、ベーコンとブロッコリー、わさび菜のパスタ、ブロッコリーのゴマ風味。ビール4本。

食後、唐突に本と本棚の整理を始める。23時すぎまでかけた甲斐あって、かなり整理が進んだ。1時半就寝。

2009/11/26

取り立てて特徴のない日

13時半起床。うどんを茹でて雪菜と一緒に食す。今日は調子が悪い、というか連日の疲れが一気に出てきた感じ。年のため、午前に休みを取っておいて正解であった。

出勤電車のなかで『俳人風狂列伝』の続き。出社後はデスクワーク。取り立てて特徴のない日。1時間ほど残業して帰宅。

夕食は玄米、雪菜と豆腐のお味噌汁、わさび菜とベーコンのサラダ、白菜と豚肉の蒸し焼き、茹でブロッコリーのゴマ風味。宮城から届いた無農薬野菜を中心に、ガールフレンドが献立。すごく充実した食事。

食後、図書館から借りてきたDVD『日本の近代化遺産1 絹から始まった産業革命』を観る。お風呂で『小島政二郎全集』の芥川龍之介の項を読むうちに急速に眠くなり、日が変わらないうちに就寝。

2009/11/25

式に出席

昨晩服用した安定剤が効きすぎたのか、目覚めたら11時であった。漢方を飲みながら何気なくインターネットをしていて、今日はかつてお世話になった方の重要な式に出席する日だったことに偶然気づく。おおっ……あぶなく平服になるところだった。

出勤電車のなかで幾度目かの石川桂郎『俳人風狂列伝』(角川書店)。何度読んでも馬鹿らしいなあ。

出社後は怒濤のごとく。ついに大物を放り投げた。で、式に出席。ちゃんとご挨拶できたかな……。その後銀座でしこたま飲む。


夜、お金のことでガールフレンドと喧嘩。が、ちゃんと話し合って仲直り。3時半に就寝。

2009/11/24

思い出してはハッと目覚めて

645分、自然に目覚めた。もったいないのでそのまま起きることにする。漢方を飲みながら、昨晩、重曹を塗り付けておいた換気扇をごしごし洗う。

ガールフレンドも起きてきて、二人で朝食。玄米、お豆腐のお味噌汁、いただきもののめざし、にんじんの葉をごま風味で炒めたもの、松茸こんぶ。資源ゴミを出して、1時間ほど2度寝してから(あ〜あ)、出勤。酒井忠康『時の橋』の続きを読みながら。小林清親について、知りたいところが書かれていない感じがするが、これって第一回サントリー学芸賞受賞作なんだよねえ。


出社してすぐに会議2本。

昨日からお財布がすっからかんだったので、銀行でお金をおろして、昼食はラーメン550円なり。ううっ、今月の家計は相当苦しい……。

30分程度残業をして退社。

帰宅後、すぐに夕食を作る。1人なので適当に済ませる。玄米、豆腐のお味噌汁、じゃがいもとベーコンの炒めもの、にんじんの葉の炒めもの、松茸こんぶ。缶ビール1本。


食後はベッドで読書。酒井忠康『時の橋』の続きを読んだり、林えり子『この結婚──明治大正昭和の著名人夫婦70態』(文春文庫)を読んだり。冒頭にある九鬼と天心のエピソードを読んで、あれを読んでいなかったことを思い出した。他に鮮烈な印象を残したのは尾竹紅吉と富本憲吉の項。

寝る前に何気なくメールをチェックしたら、大変そうな仕事のメールが入っている。読んでしまったため、一瞬はウトウトしたのだが、思い出してはハッと目覚めてしまう状態になり、ひさしぶりに安定剤を飲んで就寝。

ガールフレンドは今日で仕事が一つ終わり。だいぶ酔って帰ってきた。

2009/11/23

ウィンドウ内部はどんなところだったか

11時に起床。ホテルのテレビをつけると、ワイドショーでテリー伊藤がマイク・ケリーを紹介していた。ホテルを出て、海岸を散歩する。

昼食はシラスのパスタ・ランチが1500円もする。鎌倉まで江ノ電に乗ったら激混み。なんなんだこれは意味がぜんぜんわかんねー。


神奈川県立近代美術館で内藤礼「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」を観る。何かの儀の跡を思わせるインスタレーション《地上はどんなところだったか》は、係員にお願いすれば展示されたウィンドウの中にも入れるようになっていて、そういう手続きをとったのであろうウィンドウに入っている人びとを見ていると、インスタレーションと一緒に過ごすことでなんだか特別な気持ちになっているのではなかろうかという感覚を呼び起こされ、だったら自分もそこに入ってみたいという気が急にし、しかるべき手続きをとって入ってみると実際は緊張感とは無関係の場所であって、かえってウィンドウの外にいるガールフレンドを見つけて自分が彼女にどのように観られているのだろうかということに思い至り、瞬時に緊張感が生まれたのだった。

ついでに別館で開かれている「北川原コレクション展」も観るが大したものはなかった。自分のコレクションに少しだけ自信が持てた。

その後、ガールフレンドの友人を呼び寄せて、茶を飲む。この時点で2人の金が尽きた(笑)。残金数百円。

帰宅の車中は延々としりとりをする。帰宅すると、大家さんからりんごをいただき、父親から湖北の野菜が届いた。

夕食は白米、キャベツのお味噌汁、鮭のホイル焼き、味付けゆで卵。

風呂に入って排水溝の掃除。ついに大掃除の季節。ということで、キッチンの換気扇にも重曹をかけておく。23時に就寝。

2009/11/22

藤沢、鎌倉

11時くらいに起床。早起きしたガールフレンドが、病み上がりなのに洗濯などをしてくれていた。ありがとうございます。

朝食はたまごがゆ、春菊のお味噌汁。湯船に浸かりながら『小島政二郎全集』の「久保田万太郎」を読了。朝風呂って気持ちいい。


15時すぎ、ガールフレンドと藤沢に向かう。車中で酒井忠康『時の橋──小林清親私考』(小沢書店)を読むが、いつのまにか寝ていた。大船は神奈川県特有の、気持ちの良い曇天。懐かしい野焼きの匂いがする。

ガールフレンド邸で、ご家族と夕飯。今回で2回目。前回と違って、なごやかに話もはずむ。よかった……前回はそこにいる全員が緊張していて、ほとんど話がふくらまなかったのだった。ごはんをたらふくいただく。ワインもなみなみ4杯ほど注がれる。

21時頃においとまして、2人で鎌倉へ。ガールフレンドの友人2人とバーで談笑。あー、おもしろかった。江ノ島のホテルに宿泊。

2009/11/21

小島政二郎『俳句の天才 久保田万太郎』 (彌生書房)

風船のからみし枝の余寒かな

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冬の灯のいきなりつきしあかるさよ

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掻巻(かいまき)も枕も秋の風の中


私はこの句を詠んで何かを悟ったのを覚えている。今の人には「掻巻」という言葉が引ッ掛かるかも知れない。

今は東京は大植民地になってしまったので、夜、寝るのに掻巻なんか使っていない人が多いのではあるまいか。と云うのは、テレビドラマを見ていると、江戸を舞台にしてあるのに、寝ている人が掻巻を使っていないからである。みんな上方式の、四角の夜着にくるまって寝ている。江戸では、いや、東京では、明治時代までは、そうではなく、掻巻で寝ていた。

では、掻巻とは、どんなものかと云うと、着物と同じように両方に袖のある夜着である。初めて京都へ行った時、袖のない、四角な夜着で寝かされて寝られないので困ったことを覚えている。p.50

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ハルピン、キタイスカヤ、イベリヤといへるロシア料理店にて


ゆく春や鼻の大きなロシア人


同じことを繰り返して云うことを恥じます。小説を書かせると、あんなに窮屈な同じ人間が、詩を書かせると、どうしてこんなに自由になれるのでしょうか。彼のこの本当の自由さに、私は降参するほかありません。

同じハルピンで、私も同じ「鼻の大きなロシア人」を見ているのですが、私には俳句になりませんでした。おお、「鼻の大きなロシア人」よ。p.54

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終戦


何もかもあつけらかんと西日中


終戦の日を、俳句にした人がいるだろうか。私は万太郎のほかに一人も知らない。

あの日の悲しみ、途方に暮れた落胆、「あつけらかんと」と「西日中」に圧縮した彼の詩魂に私は圧倒された。「何もかも」も、「あつけらかん」も、「西日中」も、みんな東京人の俗語だ。

あの大きな敗北の光景を、東京人の俗語だけで描き出した万太郎の腕前に、私は舌を巻いた。事実、「あつけらかん」としか云いようがなかった。「何もかも」だった。事実、「西日中」だった。

その俗語がみんな生きて、呼吸しているではないか。悲しみの表情を浮かべて、途方もない大きなスケールを持って、溜息をついて、唯あっけらかんとして──p.57

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星涼しユダヤかたぎのはなし好き

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短日や大きな声のうけこたへ


これで詩になるのだから恐れ入る。p.80

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昭和二十四年をおくる


年の灯やとほく廊下のつきあたり

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しまいには、家を捨て妻を捨てて、ある女性と別に所帯を持った。詳しいことは、後藤杜三氏の「わが久保田万太郎」(青蛙房)を読めば分る。p.95

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クリスマス海のたけりの夜もすがら

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たましひの抜けしとはこれ、寒さかな

死んでゆくものうらやまし冬ごもり

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湯豆腐やいのちのはてのうすあかり

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雪の傘たむ音してまた一人

放熱老女

13時に起床。昨晩仕込んでおいた春菊のお味噌汁を作って飲む。昨日の疲れがあるので、今日はとにかくだらだらと過ごす。ガールフレンドは朝方に何度か吐いたらしく、かわいそう。ずっと寝込んでいて、老女のようになっている。

夕方、神保町へ。先日「東京古典会」で落札したブツの受け取り。緊張した。店主の「いやあ、争いましたよぉ」の一言には、なにやら裏がありそうな気がするが、俺は気にしないぞ……。

薬局とスーパーマーケットに寄って帰宅。ガールフレンドはまだ寝ていた。重力に負けてる感じ。

胃にやさしい料理を作ることにする。たまごがゆ、キャベツとアンチョビ、豚肉の炒めもの、お味噌汁。俺だけ先に食べる。食べ終わった頃にガールフレンドが起きてきたが、お茶碗半分くらい食べただけで、またベッドへ。つられて俺もベッドへ。

小島政二郎『俳句の天才 久保田万太郎』(彌生書房)を読んでいるうちに寝てしまう。隣で寝ているガールフレンドがめちゃ放熱していて、心配だが暖かくていい気持ち。23時に起きて読了。続いて湯船に浸かりながら『小島政二郎全集』(日本図書センター)から「久保田万太郎」を途中まで。2時に就寝。

2009/11/20

ひさびさのオール

8時半起床。漢方を飲んでから御徒町の眼科へ。コンタクトを作ってから出社。やっと自分に合う2週間用のコンタクトが見つかった。

昼ご飯は自然食品の定食。夜20時に退社。がんばった。

スーパーマーケットでビールやらを買って帰宅。家で鍋を囲みながら、ガールフレンドの友人らと飲む。飲む。ひたすら飲む。3人でビール15 本、赤ワイン2本、自家製梅酒……。朝の5時半まで。ガールフレンドは途中で潰れる。みんなが帰って、俺も6時に就寝。朝方まで起きていたのはひさびさ。


2009/11/18

もろもろスッキリ

9時半起床。かぼちゃとにんじんのお味噌汁を作って食べる。かぼちゃは干しておいたからか、風味がとても濃い。福田和也『日本人の目玉』(ちくま文庫)を読みながら通勤。

出社後はバタバタと打ち合わせの準備をしてから打ち合わせ。京橋→新宿ルート。昼食はにし邑でとんかつ。夕方、会社に戻って仕事の続き。がんばって21時まで残業して、もろもろスッキリさせる。

駅でガールフレンドと待ち合わせ。スーパーマーケットに寄って帰宅。夕食はタンメン。ビール3缶。

2009/11/17

岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』新潮新書

わからないときは、詳細なデータを集めるに限る。会社の経営が苦しいときも、まずやるべきことは、お金の出入りの把握だ。自信満々で発売した商品の売れ行きがイマイチだったときも「発売から週何個ずつ売れたのか」「どんな店で何個ずつ売れているのか」という、売れ数の把握が第一歩だ。対策をすぐに考えたり、理由を安易に想像したりすべきではない。

私のような中小企業の経営者なら誰でも知っている鉄則だ。

現状を、冷製に数字で把握すること。具体的に、細かい勘定科目まで把握し、それから、合計したり、差し引きしたり、平均を出す。と、冷徹な事実が見えてくる。


カード破産する人は、全員必ず、自分の借金の総額を知らない。利息を入れて、一ヵ月の返済額がいくらかも知らない。一ヵ月の収入がいくらで、生活費はいくらなのかも、知らない。破産する人はかならず「自分の借金状況を知らない人」なのだ。(…)

少し考えればわかることだが、計算することで怖い結果を招くわけではない。結果が怖いなら、既にもう怖い状態に陥っていて、そこから目をそらしているだけだ。どれくらい怖いか? どうやって現状を乗り越えるべきか? 打開策の第一歩は? すべて、具体的な数字の把握から始めるしかない。p.84

レコーディング・ダイエットのみならず、すべての本質。

ホンマええ女

10時起床。漢方を服用してから病院へ。院長先生に、かなり動けている旨を伝えると、漢方のみの処方となった。発症時にくらべて、薬は確実に減っている。
いったん家に戻って、ブランチ。ガールフレンドとうどんをすする。出勤中の読書は福田和也『日本人の目玉』(ちくま学芸文庫)。
出社後、昨日の打ち合わせの整理や、夕方の打ち合わせのための準備。吉祥寺にて打ち合わせ後、直帰とする。古書店に寄って、文庫ばかり5冊ほど買って帰宅。帰りの電車では、坂口三千代『クラクラ日記』(ちくま文庫)を最初のほうだけ。ホンマええ女やなあ。スーパーと図書館に寄って帰宅。
夕食は1人なので適当に。もやしたっぷりのタンメンを作って食す。V.A.『Blue Note Plays Bossa Nova』を聴きながら。無害な感じが今の気分にぴったり。食後はお金の流れを整理したあと、岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)を一気に読了。ここ半年で6キロも太ったから(というか、俺の場合はそれ以前が痩せすぎだったのだが)、タメになることばかり。1時半に就寝。

それにしても、病院の待合室で読んだ『東京人』2009年11月号、かなりヤバかった。大滝詠一大先生がついに映画について語りはじめた! しかもネタは成瀬巳喜男! ざっと目を通しただけなのだが、もう、サスガとしか言いようのない内容で、映画のロケ地を自分の足でたどりながら特定することで、二つの映画(なんだか忘れてしまったが)の対称性を浮かび上がらせるというもの。GPSを片手に銀座の街を歩かれたであろう師のイメージが湧いた。ま、詳細は雑誌を取り寄せてから書くことにしよう。

2009/11/16

人知れず祈る

9時半起床。10時間も眠った。すっきり。

表参道に直行して打ち合わせ。うまくいくよう、人知れず祈る。

昼食は自然食系の定食屋で。五穀米、お味噌汁、焼き魚3匹+5品で900円はとてもお得な感じ。滝川政次郎『日本行刑史』(青蛙房)を読み始める。

午後はデスクワーク。重要な電話を2本し、大きな仕事がついに具体化しそう。準備を本格化させる。1時間ほど残業して帰宅。

夕食は、玄米、お豆腐とわかめのお味噌汁、豚肉のワイン蒸し、ふかしたじゃがいものバーニャカウダ風。ガールフレンドが作ってくれた。ビール1缶。

食後、ガールフレンドと近所を散歩。スーパーマーケットで豚バラ肉を半額で買って帰る。

市橋容疑者がイケメンだということで盛り上がっているというニュースを読みながら、昨日買ったチリのカベルネ・ソーヴィニヨン「Montes Classic 2008」を飲む。ふくよかで飲みやすい。

2009/11/15

西新井のマイケル・ジャクソン

8時起床。休日の早起きは、とても得した気分になる。漢方を服用しながら、これまで忙しくてできなかったブログの巡回。で、10時半から11時半まで二度寝。幸せ。わかめうどんを作ってブランチとする。

昼過ぎにガールフレンドと家を出て西新井まで。

『ディス・イズ・イット』(2009)を観る。実は昨晩、川崎のアイMAXシアターで観ようかと迷ったのだが(行くまでの時間は同じくらいだし)、川崎のほうは夜しか上映していないので西新井で済ませることに。まあ、これが感動。ここまで穏やかな完璧主義者がいたろうか。「怒っているんじゃないんだ……愛なんだ」。

しかし、例えばマイケルが生きていたとして、俺は来日ツアーに立ち合おうとしただろうか。これは昨日の話にも繋がるような、本当に深刻な問題だと思う。

カルディでセールをしていたので、オリーブ油やバルサミコなどを買い込む。ガールフレンドの調子が悪そうなので、まっすぐ帰ることにする。

夕方から料理を開始し、18時半にはいただきますをした。ネギとベーコンのパスタ、お味噌汁、白菜の漬物。ビール1缶。その後はマイケルのYouTubeを観たりして、22時半に就寝。

2009/11/13

異常な存在感

815分起床。スウィートポテトを食べる。クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー『Some Loud Thunder』を聴きながら。それにしても今日は寒いぞ。ついにマフラーのお出まし。

朝から重要な会議を済ました上で、営業に出かけるフリをしてお茶の水へ。富士そばという名店でしゃばしゃばの親子丼を食べてから「東京古典会」。一つ一つのブツの存在感が異常なほどで、むちゃくちゃ身体がこわばり、汗だくになる。特に、状態がいい絵巻物には恐怖感すら覚えた。あの世界最古の印刷物・陀羅尼を擁する百万塔にも触れることができた。なんというか、独特のにおいがする。他にも重要文化財盛りだくさんである。日蓮上人妙法一首が俺を威嚇する。明日も行って、観て、さわって、あわよくば入札するつもりでいる。

いったん会社に帰って仕事の続き。1時間ほど残業。

ガールフレンドと駅で待ち合わせ。着いたときには結構な時間になっており、夕食を作るのは面倒だということで近所のうどん屋へ。つまみを食べながら焼酎のお湯割りを2杯ずつ。〆に鍋焼きうどん。

帰宅後、東京古典会のパンフレットを読んだり、『カーサ・ブルータス』のハワイ特集を読んだり。ラブクライ『Cosmos Dead』、ルインズ波止場『Ruinzhatova』を聴きながら日記を書く。

2009/11/12

目からウロコのアイディア満載

9時半起床。図書館に寄ってから出社。電車の中で魚柄仁之助『うおつか流台所リストラ術』(農文協)を読む。これはホントすごい本だな。どこにでもある言葉で表現すると、「目からウロコのアイディア満載!」ということになる。
昼食は近所のとんかつ屋でとんかつ定食。850円也。気に入るものがなかったので購入を控えていた会社用のコーヒーカップ、アウトドア用のにするというアイディアが浮かんでちょっとご機嫌。今度mont-bellをのぞいてみるつもり。
今日は大事な案件ばかりこなす日だった。最後まで気が抜けず、神経を磨り減らす。1時間ほど残業して退社。
『うおつか流台所リストラ術』読了。続いて、佐藤和歌子『角川春樹句会手帖』(扶桑社)を。連載時から(立ち読みで)愛読していた企画が、いつの間にか単行本になっていた。

帰宅すると、玄関からいいにおい。ガールフレンドが無農薬スウィートポテトを焼いてくれていた。わーい。これがホントにうまいんだ。
夕食は、玄米カレー(昨日の残り)、豆腐とネギのお味噌汁、にらたま、タコのマリネ。まー、バラバラな食事です。
食後、スタンリー・キューブリック『シャイニング』(1980)を観る。ホント怖かった。で、お茶碗を洗いながら、Condo Fucks『Fuckbook』を聴く。Yo La Tengoの変名バンド。ガレージだなー。

2009/11/11

ロマンスカーで酉の市

10時起床。ふつかよい。11時半に出社して、すぐに打ち合わせ。懸案の大プロジェクト、4月になる。その後、渋谷で打ち合わせ。夕方、タワーで前野健太『ロマンスカー』購入。

帰宅後、頭が痛いので1時間ほど眠る。

夕食はガールフレンドが昨日から仕込んでくれていたカレー。ところが、俺が玄米を炊くのを忘れてた……。急いで米を炊く。ルーはすごくうまい! が、やっぱり米は固かった……。 

頭痛がおさまらず、食後、バファリンを飲んでさらに30分ほど眠る。

起きて、ガールフレンドと酉の市へ。俺は酉の市にいくこと自体がはじめて。鷲神社まで歩いて行ったのだけれど、30分足らずで到着し、0時のオープンにちょうど間に合った。すごい人だかり。水商売風の人が多くて、なんだか景気がいい感じがする。お参りをして、熊手を買い、焼そばを食べて、また歩いて帰る。来年はいいことがあるといいな。



2009/11/10

頭の思いを身体で飲み下す

9時半起床。漢方を飲んで。前夜に服用した鼻炎薬のせいで、異常な眠気が残っている。

出社後、土曜日の仕事の修正。会議2本こなす。

昼食は近所のカレー屋でグリーンカレー。ようやく『アフロディズニー』を読了。おもしろ疑似科学だな、 こりゃ。続いて哀川翔『早起きは「3億」の得』(東邦出版)を読む。

夕方、一瞬だけ会社を抜けて古書会館へ。 退社後、同僚たちとお酒。酒席で森繁の死を知る。しこたま飲んでタクシーで帰宅。


昔の会社の先輩(というには年齢も離れすぎているが)が、今年の1月に亡くなっていたことを知る。

いわゆる「68年世代」に属する人で、出会った頃に20代前半だった俺は、運動やらジャズやら演劇やら、それまで観念的にしか知りえなかった時代のことを「現場の視点」からあらためて教えてもらう僥倖(?)に恵まれたのだった。

ただ、なんというか、70年代のある時点で時間が止まってしまったような「澱み」を彼は持っていて、その後の時代との切り結び方は、それ以前の饒舌さにくらべると不自然なほど消極的なものであるように、俺には感じられた。時代に対して、個人的に拗ねているような感じとでも言おうか。そして、どうやらその「澱み」には1人の女性が関係しているらしいことも、彼の発言の端々から読み取ることができた。


じつは最近、「70年代の乗り越え方」についてぼんやりと考えることが多かったのだが、彼こそがその典型例であったことに、今さらながら気づく。もう少し話を聞きたかった。最後に話したのは、2年ほど前、それも電話であった。


「70年代の乗り越え方」について考えるヒントはいくらでもあろうが、例えば、『美術手帖』2004年8月号にある椹木野衣による赤瀬川原平インタビュー「芸術家・赤瀬川原平は、いかに時代をくぐり抜けたのか。」。俺はこの雑誌をトイレに置いていて、たまに読み返していた。以下、赤瀬川の発言より。

それで77年かな、写真家の中平卓馬が記憶喪失で倒れた。倒れる前の時期、彼とよくつき合っていたんです。彼の記憶が、70年安保に向かう革命願望が盛り上がっているときまでで、ぱったり途切れているんですよ。それで80年に向かうころ、彼がやっと少し回復してきたころかな、とつぜん電話がかかってきた。「ああ赤瀬川さんですか、赤瀬川さんはたしか中央線のあちらのほうに住んでて、お酒が強くて……」とかそんなようなことをいろいろ事務的に聞くばかりでね。これまでのニュアンスがないんですよ。とにかく記憶を確かめてるんです。同じような電話が3回くらいあって、手紙も3回来て。ショックでしたね。どういうことかというと、「80年安保はどうなっているんですか?」って聞くわけですよ。大真面目に。


けっきょく70年代はある種あきらめていく、それまでの頭の思いを身体で飲み下していく、そういう時代だったんだなって。一時、ほんと真面目に「中平卓馬にこたえる会」を、気の知れた3人くらいでつくろうかと思った。やったら面白かったな。尾辻(克彦)の小説(「冷蔵庫」「牡蠣の季節」)のなかで、フィクションとして書きましたけど、でも未消化に終わって、中平の手紙も自分で創作し直そうと思って、けっきょく変えられなかったですね。創作は天然の力にはかなわないですね。

すさまじく重い話である。ここでの引用は中平卓馬に象徴させておくが、もちろん赤瀬川にも、なにか歴史の負荷がかかり、絡めとられていく精神の疲弊があったわけで、ある時代を通り抜けるとは、かくも壮絶な、命がけの作業でさえあるのだ。幸いなことに、中平の場合、記憶のホワイトアウトと引き換えに新たなる凝視を得、赤瀬川の場合、命がけの裏道にトマソンを見つけたわけである。


ちなみに、亡くなった先輩は平岡正明の信奉者であった。まさか、平岡と自分が同じ年に息を引き取るなど、彼も想像だにしなかったろう。

2009/11/09

わたしの運命線

10時起床。ガールフレンドと一緒に家を出る。出勤中はいまだに『アフロ・ディズニー』を読んでいる……遅々として進まない、この暇のなさはマズい。病み上がりなのだから、無理は禁物である。
とか言いながら、仕事は午前からバタバタ。
昼食は定食屋でトンカツ定食850円也。帰りに珍しくスターバックスでコーヒーを飲む。
恵比寿にて打ち合わせ後、社に戻ってからもバタバタが続く。20時にようやく解放。

夕食は、うどんを茹で、昨日仕込んでおいたカブと冬瓜のあんかけ(リベンジ)とともに。あんかけ、うまくいった〜! 食後、1時間ほど眠る。アマゾンから届いたジャン=リュック・ゴダール『気狂いピエロ』(1965)を「私の運命線」のシーンまで。ちょっとデジタルノイズが気になるが、安いから仕方ない。

2009/11/08

冬じたく

11時半起床。薬局でお洒落着洗剤、スーパーマーケットでおにぎりと唐揚げを買ってきて昼食とする。そのあいだに、クリーニングには出さなかったセーターを浸け置き洗濯をし、さらにそのあいだに、カブと冬瓜の煮物の下ごしらえをする。その上、図書館に本の返却と貸出に行く。

帰宅後、OOIOO『Armonico Hewaを聴きながら昨日の仕事の続きを仕上げて、DVDに焼く。これで持ってきた仕事は全部終わり。

夕飯は鍋。今回は出汁を引いて、豆乳と割るところから作る。こっちのほうがだんぜんおいしい。図書館から借りてきた『日本の近代化遺産2 鉄は国家なり ~九州の近代化遺産~』を観ながら。藤森照信、いい仕事してまんな。

食後はジョアンナ・ニューサム『Ys』を聴きながらゆったりと過ごす。


2009/11/07

部屋晴れし日

10時半起床。起きてすぐに仕事をするつもりだったが、ガールフレンドに懇願されて散歩に出る。スーツをクリーニングに出したり、花を買ったり、郵便局に行ったり。駅ビルのお蕎麦屋でブランチ。

帰宅後、AmazonDVDを買う。「ベスト・ライブラリー」シリーズでゴダールばかり4本、4500円。『気狂いピエロ』はVHSでも持っているが、擦り切れちゃってるし。それにしてもこの安さ、どうかしている。


昼過ぎから、持って帰ってきた仕事をしはじめる(昨日の雑務の続き)。夕方までに切りのいいところで終える。続きはまた明日。

外出するガールフレンドを横目に、俺はちょっと大げさな掃除を。引越してから今まで手を付けておらず、部屋の隅で埃をかぶっていた雑誌類の段ボールを一気に整理する。14箱ほどあった段ボールが激減。部屋が晴れた。そのかわり今度は、捨てるべき雑誌が玄関脇に山積みになった。


ガールフレンドが帰宅。まいたけ、長ネギ、豚肉、ブロッコリーなどの中華炒めを作って食べる。お肉に下味をつけるだけで、格段においしい。今日は紹興酒と片栗粉。赤ワインをグラス1杯だけ。

2009/11/06

地味すぎる実作業

8時起床。漢方だけ飲んで、朝は断食(昨晩も飲みすぎたので)。

10時に出社して、いきなり会議。終わって、各方面に電話、メールなど。小腹が空いたので、ここでファストをブレイク。ツナのお惣菜パンを食べる。

その後、市ケ谷の喫茶店で打ち合わせ……というか地味すぎる実作業を15時から21時半まで延々と。地味なうえにアナログ、さらにアタマだけはやたらと使うので、たびたび意識障害のような状態になる。コンピュータって偉大だな。コーヒーを飲み過ぎてお腹がガバガバ、なんだか断続的に小腹が空いて、サンドウィッチを3回食べてしまった。

作業終了後、いったん会社に戻って、週末に家でするための仕事を揃えて22時半に退社。

帰宅すると、ガールフレンドがペンネを作ってくれていた。おいしいっ!

2009/11/05

気合い入れんとアカンわ

10時起床。最近また起きるのが遅くなっている。気合い入れないとアカンわ。漢方飲んで、朝は断食。電車で『アフロ・ディズニー』の続きを読む。

出社後、雑務を中心に。昼頃、新大久保で打ち合わせ。ファミレスでごはんを食べながら、プロジェクトの相談。だんだん中身が詰まってきた。

帰社後、打ち合わせの成果を書類に反映。この作業に予想以上の時間がかかり、もう一つの仕事が完全に明日に回された。大丈夫かな……と思うが、今日は予定があるので定時に退社。

御徒町で同業者と飲み会。2人で焼酎1本あける。だらしのない業界の現状に対して大いに気炎を揚げる、というノリだったのかもしれないが、基本的には静かに飲んだはず。

帰宅後、前野健太を熱唱しながらビール1缶。最近、本当に飲み過ぎ。からだ壊す前に止めなければ。

2009/11/04

どうでもよさそうな中華屋の、どうでもよさそうなチャーハン

12時起床。出社後、打ち合わせの資料づくりをしてから打ち合わせに出る。

昼食は、どうでもよさそうな中華屋でチャーハン。たまに、というにはあまりに頻繁にこの手のものを食べたくなるのはなんでだろう。

十二社にて打ち合わせ。帰りにワコー・ワークス・オブ・アートにてマイク・ケリー展を観る。エクトプラズムのシリーズが下らなくて良い。図録を購入する。

で、新宿のタワー・レコードに寄って、前野健太『さみしいだけ』と戸張大輔『ドラム』を購入。戸張、10年ぶりの2枚目に衝撃。最近、東京でライヴをやっていたらしいが、不覚にも知らなかった。この2枚、どちらもすばらしい!

菊地成孔+大谷能生『アフロ・ディズニー』を読みながら帰宅。

夜、ガールフレンドの友人が来訪。夕食は玄米、冬瓜のお味噌汁、タコのマリネ、かぶと大根のあんかけ煮、先週漬けた葉っぱの漬物。お酒は飲まず!

2009/11/03

われわれは何を話していたのか、すべて忘れてしまうね

1015分起床。ガールフレンドが作ってくれたベーコン、小松菜とたまねぎのソテーを食べてから1人、ヨコハマ国際映像祭へ向かう。電車内でホンマタカシ『たのしい写真』読了。これ、ポストモダン派として、タイトルは『GS』ってことだったりするのだろうか(まさかね)。


さて、ヨコハマ国際映像祭だが、クリスチャン・マークレー、アーナウト・ミック、そしてテーマは90年代的だがアルフレッド・ジャー、山川冬樹あたりがすばらしかった。藤幡正樹のは、昔からやっているGPSの作品に音が付いたもので、この作品のためにわざわざ本気で怒ったとはとても思えず、まあ、やっぱり作品以前にいろいろあったのだろう。この件についてはディレクターが「緊急コメント」なるものを発表したが、30分という長尺の、まったく求心力のない映像を作ったところで、いったい誰が最後まで観るというのか。これが「映像祭」ディレクターの仕事なのだから、そのセンスには恐れ入る。

というか、本当は酒井隆史が出演する回のセッションに行きたかったのだが、遅刻したため残念ながら観られなかったのだった。


そのまま秋葉原へ。寒い。同業の偉大なる先輩とひさびさに飲む。熱燗4合に始まり、場所を移して焼酎をお湯割りで1瓶、さらに店を変えて生ビールを6杯ほど。明らかに飲み過ぎ。最後のほうは、何を話していたかほとんど覚えてない。タクシーで帰宅。

2009/11/02

コートにわくわく

午前の仕事は休み。12時半起床。よく眠ったおかげで、前日のお酒は残らず。シャワーを浴びて、菓子パンを食べて、会社に向かう。今日は寒い。春に買っておいたコートをおろして、ちょっとわくわく。電車の中で2日分の日記を書く。
午後、みっちり仕事。ほぼ定時に退社。電車の中でホンマタカシ『楽しい写真』(平凡社)を読みはじめる。

1人なので、夕食は簡単なもので済ませる。ネギラーメンを作って食す。その後、玄米を鮭フレークで。悲しい食卓。
食後、小津安二郎『小早川家の秋』(1961)を観る。父の葬儀のシーンを観て、昔の葬式はのんびりしていていいなあと感じた。今の葬式よりも、意味がないのがいい。で、そのあいだに挟まれる笠智衆と望月優子の会話がすごい。
──なあ、あんた。やっぱり誰か死んだんやわ。煙出とるわ。
──はあ……出とるなあ。
──じいさまやばあさまやったら大事ないけど、若い人やったらかわいそうやな。
──んー……けど、死んでも死んでも、後から後から順ぐり順ぐり生まれてくるわ。
──そうやなあ。ようでけとるわ。
ガールフレンドが帰宅。おなかが減ったと言ったら、ベーコンと小松菜のソテーを作ってくれた。今日は早めに寝るつもり。

2009/11/01

美術と工芸

10時半起床。東京に来ている父と連絡を取り合い、落ち合う場所を決める。昨日の掃除はこのためであった。念押しで、全部屋に掃除機をかける。

ガールフレンドと家を出て、最寄駅の改札で父と待ち合わせる。まずは蕎麦屋で食事。で、家に来て、大家さんに親の紹介を済ませる。部屋を見せたあと、コーヒーを飲んで談笑。ガールフレンドが外出するので、われわれも歩いて上野の博物館へ。「皇室の名宝──日本美の華[第一期]」展を観る。


たしかに目玉ではあり、しかも展示替え直前だったとはいえ、伊藤若冲の「動植綵絵」コーナーはあまりに混みすぎではないか。ちょっと前に相国寺でも観られたのに(しかも、そっちは釈迦三尊蔵もセットだったんだよ)。ただでさえ暑苦しい絵なのだから、観る環境くらい涼しくありたかったなー。俺が大好きな円山応挙の作品も、大したものは出てなかった。画狂老人卍(葛飾北斎)齢80の西瓜はさすがにすばらしい。

が、いわゆる「大政奉還」以降になると、ガクッとアウラがなくなるのはなぜだろうか。明らかに絵の質が変わっている。まさに美術と工芸の問題が浮上してくるのだ。そのなかで、退屈そうに皇居前広場に佇むブルジョアの女学生と、舟に桜を飾る水上生活者の親子、「階級」という題材を圧倒的な技量で描いた「讃春」を奉った近代人・鏑木清方はさすがであった──という見立てをしたいのだが、実のところはどうなのだろうか。ちなみに、小林多喜二が殺された昭和8年の制作。

ついでに観た常設展のほうが、やはり定番ばかりだからか、とても面白かった。ついに、一休さんの肖像ともご対面できた。


秋葉原に寄った後、再度ガールフレンドと合流。ワインバーにて3人で食事。グラスで3杯、さらにワイン1瓶あける。おいしかったー。